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自治体初の「引きこもり支援」は地域の孤独を解消できるか?

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(Yahoo!ニュース「DIAMONDonline」・07/27)

● 岡山県総社市「引きこもり」の実態 市町村で全国初の支援センター設置

 
岡山県総社市は今年度、一般の市町村では全国初となる「ひきこもり支援センター」(愛称“ワンタッチ”)を開設した。


 地域で独自に水面下の支援ニーズを掘り起こそうとする総社市の先駆的な「ひきこもり支援」の取り組みは、国も先進事例として紹介するなど、今後、全国から注目を集めそうだ。

 
 また、ワンタッチへの相談者数は開設から50人を数えるものの、それに先立つ民生委員らの調査で判明した市内の「ひきこもり者」207人と比較分析すると、重なっている該当者はわずか3人だけだったことから、実態は「かなりの数に上る」ことも7月23日に開かれたフォーラムで浮き彫りにされた。


 もともと同市は、2009年に「障がい者基幹相談支援センター」を開設したのを皮切りに、12年に「障がい者千人雇用センター」、13年に「権利擁護センター」、14年に「生活困窮者支援センター」、16年に「60才からの人生設計所」を次々に立ち上げ、延べ相談件数は1万5865件(16年度実績)に上る。「全国屈指の福祉先駆都市を目指す」として、昨年度からは10ヵ年にわたる「第2次総社市総合計画」を進めている。


 そんな中で、「これまで個人や家族の問題と見られ、地域福祉の最後の課題と言われる“ひきこもり支援”が、総社の残された課題である」として、市と社協は15年8月に「ひきこもり支援等検討委員会」(委員長/西田和弘・岡山大学大学院法務研究科教授)を設置。岡山県社協の2年間のモデル事業として、定義や実態把握、連携支援体制の構築、居場所づくり、就労支援に関することなどを5つのワーキンググループによって検討してきた。


 同市は「ひきこもり」という定義について、<義務教育修了後であって、おおむね6か月間以上、社会から孤立している状態>と、地域福祉の観点から支援対象の上限年齢を定めないことで、社会的排除を生まない仕組みに配慮しているのが特徴だ。そして、最後に<「ひきこもり」は、病気ではありません>と注意書きしている。


 西田委員長によると、民生委員・児童委員と福祉委員を対象に、「ひきこもり支援研修会」を2回開催。市内17地区で、民生委員や福祉委員と「ひきこもり支援を考える地区懇談会」を開き、氏名や年齢などの個人情報を記入しない形で、207人の事例が判明したという。


 207人の年代別では、30代が最も多くて51人。続いて40代が45人、50代が35人と、30~50代の多さが目立った。ちなみに、20代は23人、60代も22人に上った。


● 市街地と山間部は見えづらい 水面下の支援ニーズは膨大か?


 また、市街地周辺部の割合が高く、市街地と山間部が少ないといった地域によるばらつきも見られた。こうした影響について、西田委員長は「市街地では、民生委員も把握しにくく、山間部ではコミュニティのつながりが深いため、出現率に影響したのではないか」と分析している。


 一方、ワンタッチでは、社会福祉士と臨床心理士の2人の専任相談員が電話やメール、訪問で対応。これまでに、50人から相談を受けたという。


 しかし、207人の事例と重なっていたのは3人しかいなかった。この割合を単純に計算すれば、該当者は3450人と推測されることから、水面下には地域で把握されていない人たちの支援ニーズが、まだ数多く埋もれている可能性が高いことも明らかになった。


 また社協は、引きこもる人たちやその家族などの「居場所」づくりなどに協力してもらう支え手を養成するため、昨年11月から今年2月にかけて、「ひきこもりサポーター養成講座」を5回シリーズで開催。定員30人に対し、一般市民38人の応募があったという。


 同市では、他にも「ひきこもりから自立した者が支援者となるピアサポーター」の養成や、「居場所カフェ」といった居場所の設置、長期欠席児童生徒にアプローチする「支援員」の配置、市民に理解を広げる「情報提供」、生活支援サービスや多様な就労形態を創出するなどの「就労支援」に取り組んでいる。


 一昨年4月に施行された生活困窮者自立支援法では、「ひきこもり状態にある人」も主な対象者としている。同法を管轄する厚労省の社会・援護局生活困窮者自立支援室は、今年6月に公表した資料の中で、秋田県藤里町や大阪府豊中市などの8自治体と並んで、総社市の取り組みを「自治体の行った実態把握の先進事例」として紹介している。


● 「届かぬ思い」を掘り起し どう制度に反映させるか?

 今後は、孤立する本人との窓口である家族への支援とともに、ワンタッチなどを通じて掘り起こした当事者たちの声や思いを、どう支援の仕組みや制度の中に生かしていけるのか、当事者と一緒になって考えていくプロセスが大事かもしれない。


 同市は、こうした取り組みをまとめた『総社市における「ひきこもり」支援の取り組み報告書』を8月中に発刊する予定だ。

 (ジャーナリスト 池上正樹)


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池上正樹


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