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「人間が働かなくていい未来」への著者の提言とは--『人工知能と経済の未来』書評

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(Yahoo!ニュース「ZUU online」・11/12)

20世紀にも、工場などで人間の補助的作業をこなす産業用ロボットは広く普及していた。21世紀に入ると、一般消費者にもロボットの波が押し寄せるようになった。

1999年には愛犬型ロボット「AIBO」が、2002年にはお掃除型ロボット「ルンバ」が、2015年には人型ロボット「Pepper」がそれぞれ発売された。これらを購入した経験がある人もいるだろう。

いまや一般消費者向けのロボットにも、当たり前のように人工知能(AI)の技術が盛り込まれるようになっている。AIの技術は飛躍的に進化を遂げているため、年々、一般消費者向けのロボットがこなす作業は高度かつ広範囲になっている。

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊【電子書籍】[ 井上智洋 ]

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■AIに侵食されつつある知的作業分野

AIが進化していることを、今さら詳しく言及する必要はないだろう。1997年にチェスの世界チャンピオンに勝利し、2016年には世界最強との呼び声も高い韓国の囲碁棋士にも勝利した。それほどここ数年におけるAIの進化は目覚ましい。

AIは労働分野にも侵出して久しい。AIよりも人間に優位性が残っている労働分野は、肉体労働と知的労働とされている。肉体労働は建設業、そして介護・看護といったホスピタリティを必要とする職業も肉体労働に分類される。

知的作業分野はAIに浸食されつつあるが、映画を撮る・新しい商品開発をするといったクリエイティブ系の職業はなくならないとされる。それでもAIが進化すれば、これらの仕事も危うくなるだろう。

仕事を失う脅威は、AIによって表面化したわけではない。歴史を紐解けば、18世紀後半にイギリスで起こった産業革命がその発端でもある。

イギリス発の第1次産業革命は、蒸気機関によってもたらされた。蒸気機関を動力とする紡績機により、手織工や労働者たちは失業の危機に直面した。しかし、紡績・紡織の作業が合理化したことにより大量生産が可能になった。大量生産により服の価格は安価になり、消費需要も拡大。その結果、工場労働者の需要も増加している。

くわえて、蒸気機関による産業革命は鉄道という新しい技術を生み出し、鉄道員や鉄道技師という新たなサービスや産業も創出した。

■情報革命という名の第3次産業革命

技術が進化することで人的労働力が不要になる分野もあるが、これまでの産業革命は新しいサービスや産業を生み出してきた。むしろ産業革命で、雇用は増加している。技術的失業は杞憂でしかなかった。

第2次産業革命を牽引したのは、エンジンと電気モータだった。1870年代から始まった第2次産業革命によって、自動車や家電製品が普及した。これらにより劇的に社会は変化し、生活は向上した。

第3次産業革命は、1960年代に胎動したコンピューターとインターネットによる情報革命だ。いまやオフィスにおける作業の9割はパソコン・インターネットでおこなっている。第3次産業革命は世界を、そして社会を大きく変えた。

第3次までの産業革命を経て、私たちが暮らす社会は大きく構造転換している。現在、労働者の7割以上がサービス業に従事しているが、これは産業革命によって工業分野で人的労働力を省力化したことが要因といえる。第2次産業革命によって技術的失業がもたらされたが、それは世界の産業構造を工業からサービス業へシフトさせたということでもある。

■静かに進行する第4次産業革命

スマートフォンという革命的なデバイスの登場もあり、第3次産業革命はいまだ道半ばという指摘もあるが、それと同時に第4次産業革命が静かに進行している。第4次産業革命の主役が、本書の主題でもあるAIだ。

AIと一口に言っても、大別して2種類に分けられる。ひとつは特化型人工知能。もうひとつが汎用人工知能だ。

AIがチェスや囲碁のチャンピオンに勝利するほど進化を遂げても、同じAIが一流シェフ顔負けの料理をつくることはできない。それどころか、カップラーメンをきちんと作ることさえ覚束ないだろう。人間の囲碁名人なら、囲碁を打つだけではなく、お湯を沸かしてカップラーメンをつくることも容易にできる。

プログラミングされた行為や作業に関して、特化型人工知能は人間以上のパフォーマンスを発揮する。それは過去の情報を参考にしているだけに過ぎない。だから、囲碁AIがプログラミングに組み込まれていないカップラーメンをつくることはできない。

しかし、汎用人工知能は違う。チェスや囲碁のチャンピオンに勝利できる知能を持つのと同時に、人間と同じふるまいを自らが学習していく。汎用人工知能なら、これまでのAIが不得手としてきたサービス業の分野でもン飲減の仕事を奪うと予測されている。

オックスフォード大学は、10~20年後にはバーテンダー・スーパのレジ打ち係・タクシー運転手といった職業のほか、現在では高度なスキルが必要とされている会計士・弁護士助手も消失すると予測している。

■9割の人が仕事せず暮らす未来が迫っている?

第3次産業革命の主役でもあるITも、多くの人的労働力を不要にした。例えば、鉄道や飛行機などのチケットを購入する際、窓口で発券してもらう必要がなくなった。ITによって、パソコンやスマホで簡単に発券できるようになった。これで、多くの人的労働力を不要にした。

それでも、第3次産業革命までの技術的失業は、それほど深刻化していなかった。その影響が局地的で、労働者は新しい職業に労働移行することが可能だったからだ。

しかし、汎用人工知能による技術的失業は、ほかの職業に労働移行することも難しい。なぜなら、移行する労働分野にも汎用人工知能が活躍することが想定されているからだ。

汎用人工知能が社会に定着する2045年頃には、全人口の1割前後しか働いいていないと著者は予測する。つまり9割の人々が仕事もせずに暮らす未来が迫っている。

ある意味で夢のような話だが、逆に心配になるのが生活するうえで必要な「お金」のことだろう。働かなければ、収入が途絶えるのは当たり前の話。働かずに、私たちはどうやって収入を得るのか? その問いに著者はベーシックインカムの導入を訴える。

未来を予測する本書を、SFの世界と一笑に付することはできない。なぜなら、特化型人工知能が進化途上である現在でさえ技術的な失業が起きつつあるのだから、汎用型人工知能が生み出される頃には、人間は雇用を根こそぎ奪われることは間違いない。

AI進化の先に待ち受けているのは、雇用が大崩壊して悲惨な生活を送る人があふれる世界だろうか? それとも働かずに暮らすことができるユートピアだろうか?

いずれAIが人間の仕事を奪う――1960年代にSFの世界として語られてきた話が目の前にまで迫っている。

小川裕夫(おがわ ひろお)
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者などを経てフリーランスに。2009年には、これまで内閣記者会にしか門戸が開かれていなかった総理大臣官邸で開催される内閣総理大臣会見に、史上初のフリーランスカメラマンとして出席。主に総務省・東京都・旧内務省・旧鉄道省が所管する分野を取材・執筆。

引用元
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171112-00000003-zuuonline-bus_all


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