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生きる希望持てない <問う安倍政権5年>

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(Yahoo!ニュース「京都新聞」・10/09)

 滋賀県南部の住宅街。4階建てマンションの一室の呼び鈴を「フードバンク滋賀」代表の太田茂雄さん(36)が押すと、小学校低学年ほどの男児と母親が出てきた。太田さんは日々の食事に困る家庭に、企業から提供を受けた食品を無償で配達する。「助かります」。菓子パンなどを受け取った母親は笑顔を見せた。「今は貧困が見えにくい」と太田さん。大半は、自治体の生活保護担当課など行政からの依頼だ。

 この日、太田さんは27世帯を訪ねた。そのうち11世帯が1人親家庭、8世帯が単身だった。中には原発事故で福島県から避難してきた世帯もあった。生活保護受給は14世帯。申請から2週間~1カ月ほどかかる審査の間の急場をしのぐための利用も多く、利用者は毎週のように入れ替わる。活動費は個人の持ち出しだ。人手が足りず、回りたくても回れない世帯がある。

        ◇
 厚生労働省の調査によると、2015年の貧困率は15・6%で12年の16・1%からわずかに改善し、子どもの貧困率も減少に転じた。今年1月の施政方針演説で安倍晋三首相は「かつての悲観論は完全に間違っていた」と成果を誇った。それでも、国民の7人に1人以上という貧困率は、先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)35カ国のうち8番目の高さだ。

 医療や福祉など社会保障全体が、急速な少子高齢化で揺らいでる。その対策として12年、旧民主党と自民党、公明党は消費税率を10%に引き上げ、社会保障財源の安定化を図ることで合意した。消費税を政争の具にすることなく、社会保障と税の一体改革を進めるはずだった。
だが、安倍政権は景気への悪影響を理由に、2度にわたって増税を先送りし、前回衆院選と昨年の参院選で「争点」とした。一方で社会保障は「自助自立」が基本とし、医療や介護の自己負担の引き上げ、生活保護費の引き下げなどを相次いで進めた。


 安倍首相は、少子高齢化や人口減少の打開策として「1億総活躍」を掲げ、誰もが能力を発揮して働ける社会を目指すとする。そのため今衆院選では、10%に引き上げる消費税を子育て世代への投資や教育無償化など「人づくり革命」に振り向けるとした。膨大な借金の返済はまたも先送りされ、そのツケは結局、将来世代の肩にのしかかる。

 困窮者に接している太田さんには、「総活躍」がむなしく響く。「日々の食事がままならない状況で、生きる希望は持てない」。「活躍」はその先の話だ。
太田さんの配達先の一つ、5人の子どもがいるシングルマザー(45)は選挙のたびに取りざたされる消費税増税に、あきれたようにこぼした。
「結局は政治家が自分たちに都合良く使うだけではないか」

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