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発達障害、広がれ支援の輪 増える学びの場

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(Yahoo!ニュース「NIKKEI STYLE」・06/21)

 発達障害者を支援する人材をサポートする取り組みが広がってきた。国や自治体、民間団体が相次いで「資格」制度を創設。発達障害の専門知識を詳しく学ぶ機会を用意して、障害を持つ人と日常的に職場や学校で接する人たちの理解の輪を広げようとしている。
 「行動のベースとなる脳や神経が、自分とは異なるという意識が大事です」「過剰な支援は、支援なしでは生きられない人を生むことにもなります」。5月下旬の土曜日、金沢市で約40人が熱心にメモを取りながら臨床心理士の話に耳を傾けた。一般社団法人「子ども・青少年育成支援協会」(大阪市北区)が2014年秋に始めた制度「発達障害学習支援サポーター」の養成講座の一コマだ。
 障害者の就労支援施設を運営するヴィスト(金沢市)は同講座を社内研修に採用。発達障害への理解を共有するため、事務職を含めた全従業員にサポーター資格の取得を促す。同協会の上木誠吾代表理事は「適切な対応をとることで支援できる発達障害者は多い。そのためには、最新の専門知識を持った支援者を増やす必要がある」と話す。
 
 発達障害者の支援に必要な知識や実践的ノウハウを、資格制度で専門家以外の人にも広げようという動きが出てきた。当事者の円滑な社会生活を支えるため、身近に接する人たちの理解を深めるのがねらいだ。
 
 学校での支援人材のニーズは高い。「教育の現場では、問題の発生後に対策を考えていては手遅れ。目の前の生徒への対処が必要」と語るのは、名古屋市内の定時制高校の男性教諭(37)。教科担任の立場でサポーター資格を取得した。
 勤務先では生徒の約1割が発達障害と診断済み。授業で生徒の理解が不十分だと感じると、発達障害が原因かどうかを検証し、指導法に反映しているという。

 文部科学省の12年調査によると、公立小中学校の通常学級に在籍する児童・生徒の6.5%に発達障害の可能性があり、推計で約60万人に達した。発達障害児の支援計画の学校間の引き継ぎも課題になっている。
 発達障害の知識の普及と定着を促そうと、国や自治体も独自の資格制度を立ち上げ始めた。厚生労働省は今秋から「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成に乗り出す。ターゲットは発達障害者と職場で一緒に働く同僚たち。「採用して終わり」ではなく、働き続けるためには周囲の正確な理解が不可欠との考えだ。

 埼玉県は11年度から、発達障害を早期に発見し、適切に支援する人材の育成に着手。保育園や幼稚園の「発達支援サポーター」や市町村の「発達支援マネージャー」などを5年間で1万549人認定した。
 都道府県と政令指定都市にある「発達障害者支援センター」は法律上、早期発見につながる助言や就労支援などを担う。ただ発達障害者と接する保育所や就労支援施設からは「窓口まで相談に行けない」「現場を見てほしい」との声も多い。

 大阪市の発達障害者支援センター「エルムおおさか」は15年度、出前研修や訪問支援を計666回実施した。市教委も市立の幼小中高校全てを訪問し、相談に応じている。
 発達障害を理解するには、医学や心理学、福祉など横断的な知識が必要。発達障害の支援者に特化した「資格」には現時点で法律上の根拠や優遇措置はない。支援者が必要な知識を得る機会が増えることで、適切な対応が広がり、負担の軽減にもつながりそうだ。

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