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精神科病院での拘束件数、10年で倍増…「暴れるかもしれないから」推測で?

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(Yahoo!ニュース「読売新聞」・08/31)

 精神科での隔離や身体拘束について調査・研究を続ける杏林大学保健学部の長谷川利夫教授は、手首、胴、足の拘束具を2時間近く身に着け、患者の気持ちを体験したことがありました。「医療者側は患者が暴れるのを防ぐために拘束するかもしれない。が、拘束されれば暴れたくなるのは、当然の心理。縛られる立場になって考えてほしい」と言います。

 厚生労働省の調査によると、精神科のある病院に入院する患者数は減少傾向にあるものの、身体拘束を受けている患者数は2014年6月30日時点で1万682人に上り、10年前の5242人から約2倍に急増しています。簡単に着けられる拘束具の普及や、精神科病院に入院する認知症患者の増加が影響しているとも言われますが、はっきりした原因はわかりません。厚労省は「調査中」としています。

平均拘束日数は96日
 拘束される患者の数だけでなく、患者1人あたりの拘束時間も問題です。長谷川さんが2015年に国内の11病院に実施した調査では、調査日に身体拘束を受けていた記録のある患者数は245人。いつから拘束されているかを遡って調べたところ、平均の日数は96日。拘束の方法は不明ですが、最も長い人は1096日にも及んでいました。

 2009年に発表された日本の論文によると、海外の精神科病院で患者1人あたりの平均拘束時間は、スイス48.7時間、フィンランドとドイツが9.6時間、米カリフォルニア州4時間との報告がありました。調査方法が違うために一概に比べられないかもしれませんが、それにしても日本の身体拘束時間は異常に長いことがわかります。患者にとって長時間の拘束は苦痛なだけでなく、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)を起こす命の危険もあります。

 長谷川さんがフィンランドの精神科病院に視察に行った際、午前中に身体拘束をされることになった患者さんがいたのですが、その日のうちに病院内で解除できるかどうかの検討が始まっていたそうです。日本とは格段に対応のスピードが違うことに驚いたといいます。

海外では「最後の手段」
 日本で患者さんやご家族の話を伺うと、同じような状態で入院しても病院によって対応が違うようで、すべての病院が長時間の身体拘束をしているとは限りません。ただ、混乱した症状もないのに「暴れそうだから」「暴れるかもしれないから」拘束されたという話も聞きます。長谷川さんは、この「かもしれない」という理由での「予防的な拘束」が日本では多いのではないかとみています。「国際的にも身体拘束は行われていますが、どうしても他に安全が確保できない場合に限って行われる、最後の手段。できるだけ短時間にとどめ、速やかに解除しています。日本でも本当に拘束が必要なのかどうかを厳しく精査し、件数や継続時間を減らすための努力が必要です」と話しています。 (館林牧子 読売新聞編集委員)


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