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認知機能診断、悩む医師 患者が怒って来院しなくなったケースも 改正道交法施行5カ月

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(Yahoo!ニュース「西日本新聞」・08/16)

 75歳以上の高齢ドライバーに対する認知機能検査を強化した改正道交法が施行されて5カ月になるが、戸惑いを隠せないのが医療現場だ。診察対象者が認知症と診断されると運転免許の取り消しになりうるためで「実質的に医師が免許証を取り上げることになり、患者との関係が悪くなる」と診断に二の足を踏む。高齢ドライバーの事故は大分県内でも相次いでおり、公益性を見据えた判断が求められている。


 「認知症といってもさまざまで、運転できるタイプもある。MCI(軽度認知障害)が逃げ道というか、落としどころでは」。6月上旬の夜、佐伯市内。改正道交法をテーマに医師16人が集った意見交換会の席上、ある精神科医が言った。

 MCIは記憶力や集中力の低下がみられるものの、日常生活には支障がない状態。認知症ではないが、10~15%は認知症に進行するため「認知症予備軍」ともいわれる。改正道交法上は、MCIならば半年ごとの経過観察が条件ながらも運転継続が可能となる。精神科医の発言は、この内容を念頭に置いたものだった。

 認知症と診断して長年の患者が怒って来院しなくなったケースもあり、高齢者にとって認知症はいまだ心理的な壁がある。「かかりつけ医として、患者さんが運転できなくなる認知症と診断していいものだろうか」と別の医師。一方で「認知症ではない」と診断した患者が、認知機能の低下を原因とする事故を起こしたら損害賠償責任が生じないかとの懸念もつきまとう。

 意見交換会には医療訴訟に詳しい弁護士も参加し、医師たちの心配を吹き飛ばすように言った。「認知症ではないと診断しても損害賠償責任を負うことはないと思うが、最も安全なのはMCIと診断することだ」

「運転免許対策は組織の垣根を越えて連携を」
 「運転免許取り消しというと乱暴に聞こえるが、認知症と分かった場合、本人の安全を担保したり大惨事を予防したりするためにも、一刻も早く運転を止めなければならないという考え方だ」。県警運転免許課の山本満彦警視は強調する。

 県内では5月、大分市の大分中村病院待合ロビーに70代女性が運転する軽乗用車が突っ込み、18人が負傷。6月には日田市の児玉医院の玄関に60代女性が運転する軽乗用車が突っ込む事故も起きた。いずれも、アクセルの踏みすぎやブレーキとの踏み間違いといった運転操作の誤りが原因だったとみられる。

 「運転免許対策は組織の垣根を越えて連携する必要がある。とりわけ医師の免許返納の勧めは大きい」と山本警視。自治体、県警、医療、介護、そして家族も。「年寄り笑うな 行く道じゃ」という言葉もある。免許返納を高齢者だけの問題にせず、社会全体の問題と捉えたい。


■免許の自主返納は増加
 今年1~5月に県内で起きた交通事故1652件中、65歳以上のドライバーが起こしたのは356件で22%を占める。死亡事故に限ると、高齢者事故の割合は4割まで増加。高齢者事故の原因は「前方不注視」「安全不確認」が多く、認知機能の低下が背景とみられる。

 改正道交法や相次ぐ高齢ドライバーによる事故の影響で、運転免許の自主返納数は増加傾向にある。県警運転免許課によると今年1~5月、県内の65歳以上の返納者は前年同期に比べ1・6倍の1909人に上る。

 返納後の移動手段に困らないよう、大分市や宇佐市が70歳以上の免許返納者にタクシーチケットやバスの回数券を1万円分交付するなど、公的支援の動きは加速。県警も6月から、免許更新を半年後に控えた80歳以上に、公的支援制度の資料を郵送する取り組みを始めている。

 とはいえ生活の足として車が欠かせない人がいるのも確かだ。大分市下戸次の男性(74)は、JR大分駅まで車で30分。市中心部行きの最寄りバス停は1時間に1本のみ。畑仕事に出るのも、約20キロある肥料を車なしでは運べない。「免許返納なんて田舎には通用せん」。ただ、いつか事故を起こす懸念は拭えない。

 警察庁は高齢者の交通事故防止対策として、自動ブレーキとペダル踏み間違い時の加速抑制装置を搭載した「安全運転サポート車」に限って運転できる「限定免許」を導入するなど、免許制度の見直しに取り組む方針だ。

【ワードBOX】改正道交法
 3月12日施行。75歳以上の運転免許保有者が3年ごとの更新時に受ける認知機能検査で「認知症の恐れがある」と判定された場合、医師による診察を義務化。認知症と診断されれば、免許取り消しか停止となる。更新前でも、逆走や信号無視などの違反をした場合は臨時検査を受けなければならない。

=2017/08/16付 西日本新聞朝刊=

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